タロット占いの世界において、現在主流となっているのは「ウェイト版」です。
それに比べると「マルセイユ版」は少しマイナーなイメージ。
なので解説本もごく少数しかありませんでした。
ですが昨今、マルセイユ版タロット関連の書籍が続々と出版されるようになってきました。
その理由には、
マルセイユ版タロットに興味を持つ人が増えてきたから
とういことが推測できます。
この記事が気になったということは、あなたもそんな一人ではないですか?
そこで今回の記事では、
マルセイユ版タロットカードに興味を持っている人や
「マルセイユ版のタロットを買ってみたけど全然使えないよ・・・」
といったような方のために、
マルセイユ版タロットが必ず読めるようになる、おすすめの書籍を3冊ご紹介したいと思います。
【小アルカナ対応】マルセイユ版タロットおすすめの解説書3選
ボクが選んだマルセイユ版タロットを独学するのにオススメな解説書は次の3冊。
今回ボクが選んだ3冊のマルセイユタロットの解説書の基準は、
「小アルカナの解説が含まれているかどうか?」
という点を重視しました。
何故なら、マルセイユ版のタロットが難しいと感じるのは、やはり「小アルカナが読みにくい」という部分があるからだと思うからです。
マルセイユ版のタロットカードの小アルカナは、数字と簡単な象徴の図柄しか描かれていないので数秘術や四元素の知識がないと読むのが難しいという特徴があります
とはいえもちろん、「大アルカナだけで占いをしたい」という人にも、とても役にたつ内容の本を選んでいるので、そこは安心して下さい。
情報量の差はありますが、マルセイユ版タロットの小アルカナも使ってみたい、という人にはオススメな書籍ばかりとなっています。
それでは1冊ずつ見ていきましょう。
新釈マルセイユタロット 浜田優子
まず最初に紹介するのは、東洋書院から出版されている、
浜田優子さんの「新釈マルセイユタロット」。
初版は2016年と今回紹介している本の中では、最も古いものになります。
ですがその内容は現在(2024年)でも少しも色褪せておらず、とても読み応えのある1冊となっています。
新釈マルセイユタロットのおすすめポイント
新釈マルセイユ・タロットのおすすめポイントは次の4つ。
初心者から上級者まで幅広く使える内容
新釈マルセイユタロットは、タロット占いの初心者から、これからマルセイユ版タロットをマスターしたいと考えている上級者まで幅広く対応した本となっています。
マルセイユタロットの基本的な部分、大アルカナの絵柄の象徴が意味すること、
またスート(棒・金貨・剣・聖杯)の意味や、数字のもつ意味なども、詳しく解説されています。
なので、タロット占いが全くの初めての人にはもちろん、
マルセイユ版タロットに少し苦手意識を持っているタロット占い上級者の人にも、それを克服する為のいい参考書だといえます。
小アルカナの解説が丁寧
新釈マルセイユタロットは、小アルカナの解説がとても分かりやすいのが特徴です。
1枚1枚の解説は、ポジティブとネガティブのキーワードがいくつか書かれているだけの、とても簡単なものですが、小アルカナの単純な図柄から意味を読み取るのには十分な内容となっています。
また宮廷カード(コートカード)の解説も、描かれている人物像の表現が的確にされていて、より理解が深まるようになっているのが、他の本よりも優っている部分です。
ただし、なぜだか分かりませんが、コートカードの解説の部分だけカードの絵が載っていないので、自分の持っているカードと照らし合わせて読む必要があります。
多彩なスプレッド(展開法)
新釈マルセイユタロットの中で紹介されているスプレッド(占い方)は全部で6種類。
- ワンカード
- ツーカード
- スリーカード
- トライアングル
- スクエア
- ヘキサグラム
1枚引きの簡単なものから、複数枚を使用した複雑なものまで、サンプルリーディンを交えて解説されています。
スプレッドは占う内容によって使い分けるのがいいので、多くのスプレッドの紹介と、それを踏まえたサンプルリーディングがあるのは、初心者だけではなく上級者にもとても参考になります。
サンプルリーディングが豊富
新釈マルセイユタロットには、とにかく多くのサンプルリーディングが掲載されています。
先ほど紹介したスプレッド(展開法)を使用した占いの例が「40ページ以上」あります。
そして全てのサンプルリーディングにおいて、
大アルカナと小アルカナの全てを使った「フルデッキ」で占われているのも特徴的です。
小アルカナを使った実占例は貴重
マルセイユタロットを使用した解説書は、今やいろんな出版社から販売されています。
しかしながら、小アルカナを使った実占例が載っているものはとても少ないのが現状です。
マルセイユタロットの小アルカナは、抽象的な図柄しか描かれていない為、タロット占い初心者の人には扱うのがとても難しいのが正直なところ。
そういった意味からも、この本の小アルカナを使用したサンプルリーディングがあるのは、とても貴重な上に参考になるでしょう。
新釈マルセイユタロットの残念な点
新釈マルセイユタロットの残念な点は、少し難しい表現がある部分と、内容が多いために全てを理解するには繰り返し読む必要がある、というところです。
基本的にはとてもまとまりが良く、文字も大きくて読みやすい本ですが、
普段あまり本を読まないような人には少し敷居が高い内容となっています。
また、内容も非常に多いために、人によっては途中で飽きるかもしれません。
著者の独自解釈がある
新釈マルセイユ・タロットは、「新釈」とういうタイトルのとおり、筆者独自の解釈が多く含まれています。
なので、人によっては合わない可能性もあります。
特に「ギルガメシュ叙事詩」からヒントを得たということなので、文学的な表現も多くなっています。
ただ、ボク自身は読んでいてそんなに違和感は覚えませんでした。
むしろ腑に落ちる部分が多く、「楽しく読むことができた」、というのを付け足しておきます。
新釈マルセイユタロットがオススメな人はこんな人
新釈マルセイユタロットは、タロット占いの初心者から、マルセイユ版タロットに苦手意識がある上級者の人まで、全ての人にオススメできます。
また、小アルカナを使ったフルデッキでのリーディングをやってみたいという人にも、実占例が多いのでとても参考になります。
ハードカバーで装丁された、ちょっと難しそうな雰囲気の本なので、手が出しづらい感じもありますが、内容はとてもシンプルです。
少し難しい表現のところもありますが、総じて読みやすい本なので、初心者の人でも十分に楽しめる解説書となっています。
日本でいちばん簡単なマルセイユ版タロットカードの教科書 立夏
続いて紹介するのは、日本橋出版から出版されている、
立夏さんの「日本でいちばん簡単なマルセイユ版タロットカードの教科書」(以後マルセイユ版タロットカードの教科書と記載)
マルセイユ版タロットカードの教科書は、マルセイユタロットをゼロからマスターしたい人のための解説書となっています。
マルセイユ版タロットカードの教科書のおすすめポイント
マルセイユ版タロットカードの教室のおすすめポイントは次の3つ。
初心者を意識した内容と構成
この「マルセイユ版タロットカードの教室」のフルタイトルは、
「日本でいちばん簡単なマルセイユ版タロットカードの教科書」です。
このタイトルに嘘はなく、とにかく初心者を意識して書かれているのが伝わってきます。
構成も非常にシンプルで、大アルカナの解説と小アルカナの解説にページ数をさいて徹底されています。
なのでとても読みやすく、内容がスラスラと頭の中に入ってきました。
余計な解釈などがない分、初心者にも読みやすい本だと言えるでしょう。
丸暗記はしない
タロットカードが難しく感じるのは、カードの意味を「覚える」というところだと思います。
しかし、この本の著者の立夏さんは「カードの丸暗記はやめよう」と言っています。
つまり、この本のメインコンセプトは、
カードに描かれている絵の大体のイメージ(キーワード)だけを覚えて、そこから答えを導き出すことです。
なのでこの本には、「このカードが出たから答えはこうです。」というような明確な答えのようなものは一切書かれていません。
「答えはその都度自分で考えて探し出す」、というのがこの本の趣旨となっています。
物語形式の解説
マルセイユ版タロットカードの教室の解説の部分は、「物語形式」になっています。
なので、ストーリーを読むように、カードの意味を覚えることができます。
カードに登場する人物の顔や態度、着ている洋服の種類やその色、持ち物に至るまで、その意味を物語を交えて解説しているので、とても印象に残りやすいです。
ストーリーも各カード(大アルカナ)ごとに、1ページに簡潔にまとめられたシンプルなものなので、文章を読むのが苦手な人でも用意に読むことができます。
よくある普通のタロットの解説書では、カードに描かれている「象徴」の説明文がほとんどですが、この本は逆にそういった説明は最小限となっています。
小アルカナの解説が丁寧
マルセイユ版タロットカードの教室の、特におすすめしたいポイントの一つに、小アルカナの解説が丁寧というのがあります。
小アルカナは、
- 数札40枚
- 人物札(コードカード)16枚
の計56枚ありますが、この全てのカード1枚1枚に詳細な解説がされているのが特筆すべき点です。
特にコードカード(人物札)の詳細な解説は、
マルセイユタロットをマスターしたいという人には、初心者上級者に関係なく、必読と言っていい内容となっています。
「本の総ページの半分近くを小アルカナの解説に使われている」
ということからも、この本の小アルカナへの解説の力の入れ方が分かるかと思います。
マルセイユ版タロットカードの教室の残念な点
マルセイユ版タロットーカードの教室のちょっと残念だと思う点は次の2つ。
実占例は必要最低限
マルセイユ版タロットカードの教室に掲載されている実占例はとても少ないです。
ページ数にして16ページ。
さらにその実占例で使われているスプレッド(展開法)も、「ケルト十字」や「ホロスコープ展開法」という、カードを複数枚使用する、上級者向けのものしか載っていません。
なのでこの本は、「占い方の学習をするため」というよりも、カードの意味を覚えるのがメインというのがコンセプトとなっています。
馴染みの少ない1JJ版を使用
マルセイユ版タロットカードの教室で扱っているマルセイユ版のタロットカードは、いわゆる「普通の」マルセイユタロットではなく、
「1JJスイスタロット」というマルセイユタロットを使用しています。
なので、ごく一般的なマルセイユ版タロットとは若干違う部分があります。
Ⅱ女教皇とⅤ法王が別人
1JJ1スイスタロットと一般的なマルセイユタロットの大きな違いは、
という名称に変更されているところです。もちろん絵柄も全然違います。
(なぜ名称が変更されたのかという理由は、この本の中で解説されています)
なので、ごく一般的なフランス製のマルセイユタロットを使う場合、カードの絵柄と名前が違うので、少し読み直す必要があります。
ただ、「Ⅱ女教皇」と「Ⅴ法王」の解説もちゃんとあるので、そこは安心しても大丈夫です。
マルセイユ版タロットカードの教科書がオススメな人はこんな人
マルセイユ版タロットカードの教科書がオススメな人は、「タロットカードの知識がほとんどない人」です。
ゼロからマルセイユ版タロットを勉強したい、そんな人には最適な1冊と言えます。
余計な情報は極力省いているので、とてもシンプルで読みやすく、タロット占い初心者の入門書としてもベスト。
また小アルカナの解説がボリュームがあり、非常に丁寧なので、
マルセイユタロットでもフルデッキを使って占いをしてみたい、というタロット占い上級者にも強くオススメできます。
マルセイユ・タロット教室 井上教子
最後にご紹介するのは、国書刊行会から出版されている、
井上教子さんの「マルセイユ・タロット教室」。
このマルセイユ・タロット教室は、先に紹介した2冊の本よりも、実占に重きを置いた解説書になっています。
なので初心者向けというよりも、ある程度タロットを理解した「中級者向け」の内容となっています。
マルセイユ・タロット教室のおすすめポイント
マルセイユ・タロット教室のおすすめポイントは次の3つ。
年代によるカードの絵柄の違いの解説
マルセイユ・タロット教室の特徴の一つとして、3枚の異なる年代のマルセイユ版タロットを見比べて解説しているという点があります。
マルセイユ版のタロットの歴史は古く、年代や作成された国によって絵柄が少しずつ違います。
「それらの絵がどうして変化していったのか?」
そういったちょっとした違いを本書では知ることができます。
参考書感覚でカードの意味を覚える
マルセイユ・タロット教室は、「大アルカナ」のカードの絵柄の解説がとても詳細です。
カードに描かれている象徴のポイントごとに解説があるので、よりマルセイユタロットの理解を深めることができます。
またキーワードと絵柄の結びつきを「自分なりに解釈をして覚える」というチェック項目が用意されています。
なので参考書を読んでいるような感覚で、タロットカードを覚えることができるのが、この本の一つの特徴です。
豊富な実占例の掲載
マルセイユ・タロット教室には、とにかく多くの実占例が掲載されています。
大アルカナのカードごとに、
著者本人の実践に基づいた内容を読者に理解しやすいように改変されたものが掲載されています。
また「練習問題のようなもの」が、大アルカナ1枚ごと(計22枚)に用意されているので、これもカードの意味を覚えるのにとても役にたつ部分でしょう。
マルセイユ・タロット教室の残念な点
マルセイユ・タロット教室の少し残念に思うところは次の2点。
読みにくい本の構成
マルセイユ・タロット教室の本の構成は、お世辞にも読みやすいとは言えません。
なぜかというと、
キーワードとカードの詳細な説明の後に、そのカードごとの実占例があるんですが、これがとても長く、読んでいて少しテンポの悪さを感じるのです。
また占いをしているときにカードの意味を調べたいと思ったときにも、
「索引がなく」、一つのカードの説明文が長いため、読みたい部分を見つけるのに苦労します。
なのでこの本を調べ物をするような、辞書的に使うには少し扱いが難しいと感じました。
小アルカナの解説は少なめ
マルセイユ・タロット教室に掲載されてる小アルカナの解説はかなり少ないです。
ページ数にして26ページ。
とはいえ、スートの「絵柄の並び方」や「数字の意味」などの、小アルカナの基本的な部分を覚える上では十分な内容といえます。
また大アルカナと小アルカナを使用した実占例も「24ページ」もあるので、解説は少なめですが、カードの意味を学習するには十分な内容となっています。
マルセイユ・タロット教室がおすすめなのはこんな人
マルセイユ・タロット教室がオススメな人は、
ズバリ、「マルセイユ版のタロットカードを使って本格的に占い師を目指す人」です。
とにかく実占を意識した内容が多いので、
この本のサブタイトル通り「タロット・マスターをめざして」というのが当てはまります。
マルセイユタロットの歴史から、カードの絵柄の意味まで、とことん追求してみたい、そんな人には必読の書と言えるでしょう。
まとめ
今回は、小アルカナの解説が含まれている、マルセイユ版タロットのオススメの書籍を3冊紹介してきました。
その3冊は次のとおり
少し古めのものから、最新刊のものまでの中から厳選した3冊になります。
マルセイユ版のタロットカードを扱った解説書は、ウェイト版に比べると、まだまだ数が少ないのは確かです。
しかし、それでも独学でマルセイユタロットを学ぶには、とてもいい本が揃ってきています。
今回紹介した3冊の本がまさにそれです。
なので少しでもマルセイユ版タロットに興味があるのなら、
ぜひ一度、カードと解説書を手にとって、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
きっとマルセイユ版タロットにしかない不思議な魅力に気づくはずですよ。
この度は最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。
この記事が少しでも何かのお役に立てたのなら嬉しいです。
それではまた。
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