タロット占いの世界において、現在主流となっているカードは「ライダー・ウェイト版」です。
それに比べると「マルセイユ版タロット」は少しマイナーなイメージがあります。
そういう理由もあってか、以前までは解説書もごく少数で、しかも内容が難解で難しそうなものしかありませんでした。
ですが昨今、マルセイユ版タロット関連の書籍が続々と出版されるようになってきました。
その理由には、
マルセイユ版タロットに興味を持つ人が増えてきたから
とういことが推測できます。
そこで今回の記事では、
マルセイユ版タロットをこれから独学してみようと思っている人に、おすすめの書籍を5冊紹介します。
※解説書よりも先にカードが欲しいという人はこちらの記事【タロットカードマニアが選ぶ】初心者におすすめのマルセイユ版タロットカード5選を参考にしてみて下さい。
マルセイユ版タロットを独学する為のおすすめの解説書5選

ボクが選んだマルセイユ版タロットを独学するのにオススメな解説書は次の5冊。
今回ボクが選んだこの5冊の解説書の基準は、
「小アルカナの解説が含まれているかどうか?」
という点を重視しました。
何故なら、
「マルセイユ版のタロットは難しい」とそう感じる人の多くは、やはり「小アルカナが読めない」という部分があるからと考えているからです。
マルセイユ版のタロットカードの小アルカナには、各スートの象徴の数だけが描かれています。その為ライダー・ウェイト版と比較すると解釈が難しくなっています
なので、マルセイユタロットの基本をゼロから学ぶには、今回紹介する本はどれも有効だと思います。
それでは1冊目から紹介していきます。
はじめての人のための らくらくマルセイユタロット入門 藤森緑

まず最初に紹介するのは、藤森緑さんの「はじめての人のための らくらくマルセイユタロット入門」です。
タロット占いの入門書のベストセラー「らくらくシリーズ」のマルセイユ版が登場しました。
マルセイユタロットはもとより、タロットカードに初めて触れるような、全くの初心者の人でも理解しやすいように、難しい解釈は極力省かれていて、端的で分かりやすいのが特徴です。
とにかくシンプルな内容なので、知識ゼロからマルセイユタロットを初めてみたいという人には最適な解説書となっています。
スプレッドの解説も充実
この本の後半には多彩なスプレッドでの実占例が載っていて、とても参考になります。
- ワンオラクル
- ツーオラクル
- スリーマインド
- クロススプレッド
- ケルト十字スプレッド
以上の5種類のスプレッドを使用した、現役の占いのプロの方の実際の占い例はとても貴重。
マルセイユタロットのフルデッキを使用した占いの例は少ないので、そういった意味でもこの本を読む価値は大いにあります。
シンプルゆえに少し物足りない内容

冒頭でもお伝えした通り、この本はタロット占いの完全な初心者の人でも理解しやすくする為に、極力難しいところは省かれています。
なので、より深くマルセイユタロットについて学びたいと思って読むと、少し物足りなさを感じるかもしれません。
しかしそういった場合には、以下に紹介する本を随時追加すればいいだけです。
「マルセイユタロットを使って占いをやってみたい」そう思ったら、まず最初の1冊目にこの本を選ぶのはとてもおすすめです。
新釈マルセイユタロット 浜田優子

次に紹介するのは、東洋書院から出版されている、浜田優子さんの「新釈マルセイユタロット」。
この新釈マルセイユタロットは、タロット占いの初心者から、これからマルセイユ版タロットをマスターしたいと考えている中級者の人まで幅広い層の人におすすめ。
マルセイユタロットの基本的な部分、大アルカナの絵柄の象徴が意味する部分はもちろん、
スート(棒・金貨・剣・聖杯)の意味や、数字のもつ意味なども、詳しく解説されています。
なので、タロット占いが全くの初心者の人でもあっても、理解しやすい内容となっています。
小アルカナの解説はシンプル

新釈マルセイユタロットは、小アルカナの解説はとてもシンプル。
1枚1枚の解説は、ポジティブとネガティブのキーワードがいくつか書かれているだけなので、解釈に迷うことがありません。
また宮廷カード(コートカード)の解説も、描かれている人物像の表現が的確にされていて、より理解が深まるようになっているのもこの本の特徴。
ただし、コートカードの解説の部分だけカードの絵が載っていないので、自分の持っているカードと照らし合わせて読む必要があります。
多彩なスプレッド(展開法)
新釈マルセイユタロットの中で紹介されているスプレッド(占い方)は全部で6種類。
- ワンカード
- ツーカード
- スリーカード
- トライアングル
- スクエア
- ヘキサグラム
1枚引きの簡単なものから、複数枚を使用した少し上級者向けのものまで、サンプルリーディンを交えて解説されているのでとても参考になります。
スプレッドは占う内容によって使い分けるのがいいので、多くのスプレッドの解説と紹介とそれを使用したサンプルリーディングがあるのは、初心者の人だけではなく中級者以上の人にとっても非常に有効です。
ハードカバーで内容が少し難しそうに見えますが、初心者の人でも十分に理解できて参考になるいい解説書です。
魂をもっと自由にする タロットリーディング 松村潔

次に紹介するのは「魂をもっと自由にする タロットリーディング」。
著者は松村潔さん。
特に西洋占星術の知識が豊富で、マルセイユタロットにも精通している、占いのベテランの方です。
今回紹介する本の中でももっとも古い「2005年」に発行されたマルセイユタロットの解説書になります。
しかし古いといってもその内容は現在でも全く色褪せてはおらず、むしろとても為になる内容となっています。
小アルカナの解説が充実

この本の1番の特徴はやはり「小アルカナの解説が充実」しているというところ。
マルセイユタロットの難しいと思われる「小アルカナ」をきちんと理解するのに、この本はとても役に立ちます。
各スートの1枚1枚に丁寧な解説があるので、読めば必ず新しい発見があります。
小アルカナの数札の数字と大アルカナの数字を絡めた説明は必読です。
抽象的な内容で読解力が必要
とても内容が詰まったいいマルセイユタロットの解説書ですが、読む人によっては、ちょっと難しいと感じるかもしれないです。
特に初心者の人はそう感じるかもしれません。
その理由は「説明が少し抽象的」だからです。
解説文も少し哲学的な表現があります。
しかし、読み物としてもとても興味深く、読んでいて腑に落ちることも多いので、マルセイユタロットを学ぶのなら1度は手にとって読んでもらいたい良書です。
また、小アルカナを深掘りして学びたい人にとってはマストな選択となります。イチオシ!
こちらは「魂をもっと自由にする タロットリーディング」と「タロットリーディング(実践編)」の合本になります。
日本でいちばん簡単なマルセイユ版タロットカードの教科書 立夏

続いて紹介するのは、日本橋出版から出版されている、
立夏さんの「日本でいちばん簡単なマルセイユ版タロットカードの教科書」(以後マルセイユ版タロットカードの教科書と記載)
この本の一番の特徴は、「カードの暗記をせずにマスターする」というところ。
タロットカードの世界ではよく、暗記はしない方がいいと言われますが、この解説書まさにそれを目指して作られています。
丸暗記はしない

タロット占いが難しく感じる多くの人は、「カードの意味を覚えるのが大変」という部分があると思います。
しかし、この本の著者の立夏さんは「カードの丸暗記はやめよう」と言っています。
カードに描かれている絵の大体のイメージだけを覚えて、そこから答えを導き出すこと。
なのでこの本には、「このカードが出たから答えはこうです。」というような明確な答えのようなものは一切書かれていません。
「答えはその都度自分で考えて探し出す」というのがこの本の趣旨。
ストーリーを読むようにカードの意味を覚える。
これがこの解説書の肝になります。
馴染みの少ない1JJスイスタロットを使用

この本で使用されているカードは「1JJスイスタロット」という種類のマルセイユタロット。
その画像を元にカードの解説がされています。
少し絵柄に特徴があるカードで、現在広く一般的に使用されているマルセイユタロットとは、ちょっと違います。
1JJ1スイスタロットと一般的なマルセイユタロットの大きな違いは、
という名称に変更されているところ。もちろん絵柄も全然違う。
(なぜ名称が変更されたのかという理由は、この本の中で解説されているので省略)
こういった微妙な違いはあるものの、ちゃんと「Ⅱ女教皇」と「Ⅴ法王」の解説もあるのでそこは心配無用です。
少しクセのあるカードを扱っているものの、「らくらくマルセイユタロット入門」と同様に、余計な情報は極力省かれているので、とてもシンプルで読みやすいです。
また暗記せずにカードを読む、というコンセプトも素晴らしいので、マルセイユ版タロットの入門書としてもベストな1冊といえるでしょう。
マルセイユ・タロット教室 井上教子

最後にご紹介するのは、国書刊行会から出版されている、
井上教子さんの「マルセイユ・タロット教室 タロットマスターをめざして」です。
このマルセイユ・タロット教室は、今回紹介している解説書の中でも、ある程度タロットを理解している「中級者向け」の内容となっています。
なので初心者の人の場合は、いきなりこの本を読むよりも、他で紹介した比較的簡単な内容の解説書を読んでから読むことをおすすめします。
そうすることで、この本はより理解できて、より活用することが出来るでしょう。
歴史的観点からカードを読む

マルセイユ・タロット教室の特徴の一つとして、3枚の異なる年代のマルセイユ版タロットを見比べて解説しているという点があります。
マルセイユ版のタロットの歴史は古く、年代や作成された国によって絵柄が少しずつ違います。
「それらの絵がどうして変化していったのか?」
そういったカードについての歴史をこの本では学ぶことが出来るので、マルセイユタロットを深く理解するのには大変参考になります。
豊富な実占例の掲載
マルセイユ・タロット教室には、とにかく多くの実占例が掲載されています。
大アルカナのカード解説の各章ごとに、
著者本人の実践に基づいた内容を、読者に理解しやすいように改変されたものが掲載されています。
また「練習問題のようなもの」が、大アルカナ22枚にそれぞれ用意されているので、まるで参考書を読む感覚でタロット占いをマスターすることが出来ます。
小アルカナの解説は少なめ

大アルカナの解説は非常に充実している反面、小アルカナの解説は最小限です。
今回紹介した他の解説書のように小アルカナ1枚1枚の解説はありません。
ですが、図柄の配列や数の意味などはとても詳細に解説されていて、とても参考になります。
なので、マルセイユタロットの小アルカナを深く理解するという意味においては、他の本よりも優秀です。
この本のサブタイトル「タロット・マスターをめざして」というとおりに、
マルセイユタロットの歴史から、カードの絵柄の詳細な意味までとことん追求したい、そんな人にはこの本は必読の書と言えるでしょう。
まとめ
今回は、小アルカナの解説が含まれている、マルセイユ版タロットのオススメの書籍を5冊紹介してきました。
おさらいすると、ボクがおすすめするマルセイユ版タロットの解説書は次の5冊
少し古めのものから最新刊のものまで、全てマルセイユ版タロットに特化した解説書です。
マルセイユ版のタロットカードを扱った解説書は、メジャーなタロットカードである「ライダー・ウェイト版」に比べると、まだまだ数が少ないのは確かです。
なのでまだまだ潤沢とは言えません。
ですが徐々にではありますが、独学でマルセイユタロットを学ぶ為に、とてもいい本が揃ってきたのは嬉しい限りです。
マルセイユ版タロットに少しでも興味のある人、マルセイユタロットを使って実際に占いをやってみたい人は、ぜひこの機会にカードと一緒に今回ご紹介した解説書とともに手に取ってみて下さい。
きっとマルセイユ版タロットにしかない不思議な魅力に、どっぷりとハマることをボクは確信しています。
この度は最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。
この記事が少しでも何かのお役に立てたのなら嬉しいです。
それではまた。

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