マルセイユ版タロットカードの絵は実にシンプルです。
特に小アルカナは簡単な象徴の絵が描かれているだけなので、なおさらそれを感じるでしょう。
そしてそれは「コートカード(宮廷カード)」にも言えること。
マルセイユ版タロットのコートカードは、人物が一人だけ描かれているだけです。
そのシンプルさ故に、
「コートカードが読めない」、「コートカードが苦手」という人が多いです。
ですが、あるコツさえ掴めば、コートカードは意外なほどスラスラと読めるようになります。
そこで今回の記事では、マルセイユ版タロットのコートカードの読み方のコツやヒントについて、余すことなく解説をしていきます。
この記事を最後まで読んでいただくと、コートカードの意味から読み解き方のコツまで知ることが出来るようになります。
コートカードの基本を抑えよう

まずはマルセイユ版タロットの中で、コートカードがどういった役割やポジションなのかを解説していきます。
マルセイユ版タロットカードの枚数は全てを合わせると「78枚」あります。
その内訳を大きく二つに分けると
- 大アルカナ22枚
- 小アルカナ56枚
となります。
そしてコートカードは「小アルカナの56枚」の中に入っています。
マルセイユ版タロットの小アルカナは、4つのスート「剣」「杯」「棒」「金貨」に分類されていて、各スートが14枚のカードで構成されて合計56枚あります。
そしてそれを次のように更に分類することで、
- 数札40枚
- コートカード16枚
というふうに、数札とコートカードで切り分けることができます。
同じ小アルカナといっても、数札とコートカードでは、その扱い方や意味合いが大きく異なるんです。
コートカードの読み方

コートカードは、別名「宮廷カード」や「人物カード」とも呼ばれていて、それぞれの象徴を持った人物が「一人だけで」描かれています。
それらの「人物像」には個性が割り振られていて、その意味を解釈することで、コートカードを読むことが出来るのです。
コートカードは4つの階級に分類
タロットカードの小アルカナは4つのスート(剣・杯・棒・金貨)に分けられていますが、コートカードはそれに加えて各スートごとに4段階の階級の人物に分けられています。
それが次のとおり
- 小姓(ペイジ)
- 騎士(ナイト)
- 王妃(クイーン)
- 王(キング)
これらの人物像は次のような順番で階級分けがされています。
小姓(学び) → 騎士(行動し) → 王妃(受容し) → 王(指導する)
コードカードには上記のような並び順で、「行動原理(役割)」が割り当てられています。
このように小姓から王へと続く流れを意識すると、コートカードは理解しやすく読みやいです。
それでは、次からコートカードの基本的な解釈を見ていきましょう。
小姓(ペイジ)の基本的解釈

小姓の解釈には次のようなものがあります。
- 新しい情報や学び
- 始まりのエネルギー
- 好奇心が旺盛
- 発展途中にある人
- 経験を積んでいる途中
- 若い人物
生まれたてのエネルギーの使い方をこれから学ぼうとする、若くてこれからの成長に期待をして夢を見ている人物、といった解釈をすることができます。
騎士(ナイト)の基本的解釈

続いて騎士の解釈は次のとおり
- 行動の進行中
- エネルギーに満ちている
- 冒険家
- 挑戦者
- エネルギッシュで行動的
- 少し慎重さに欠ける
何かを実行している人、これからぐんぐんと伸びていくような、またやる気に満ち溢れているような青年のイメージを持つ人物、という解釈ができます。
王妃(クイーン)の基本的解釈

王妃の解釈には次のようなものがあります
- 感情や直感に優れている
- 内面的に成熟している
- 思いやりや理解がある
- 育てるエネルギー
- 落ち着いた雰囲気
- 共感能力に優れている
コートカードの中で唯一の女性である王妃は、そのまま女性的な魅力を持つ成熟した人物を表しています。
何か育成したり、受容したりといった、受け身なカードといった解釈をすることができます。
王(キング)の基本的解釈

王の基本的な解釈は次のとおり
- 成熟したリーダーシップ
- 知恵のあるもの
- 安定性
- 自己確立した人物
- 冷静で計画的な判断
- 理性的なエネルギー
王は人の上に立つために、あらゆる知識と経験を積んできた、どっしりと構えた人物のイメージ。
的確な判断力で人を引っ張っていく、信念を持った行動ができるといったような解釈をすることができます。
コートカードを読み解く4つのコツ

コートカードを1枚1枚読み解いていく時のコツとしては、次のようなことが挙げられます。
- 人物像のイメージを覚える(小姓・騎士・王妃・王)
- 色のイメージを覚える(赤・黄色・青・緑)
- スートの役割を覚える(棒・杯・剣・金貨)
- カードの向きを見る(特に目線に注目)
まずは先に解説した人物像の大まかなイメージを覚えることから始めるといいです。
次にカードに描かれている色の意味を覚え、そして各スートの役割イメージを覚えます。
最後はカードの向き、特に人物の目線に注目することも重要になってきます。
色とシンボルで読む

マルセイユ版タロットでコートカードを読むときに大切になるのが、「色とシンボル」です。
色とシンボルにはとても重要な要素が含まれているので、ここはぜひ押さえておきたいところ。
まずは色の場合だと、
赤や黄色などの明るい色は、活力や情熱を象徴していますし、
青や緑は落ち着きや知恵といった意味を持ち合わせています。
※マルセイユ版タロットのカードの版の違いよって色が違う場合があります
またコートカードの人物たちは、それぞれのスート(棒・杯・剣・金貨)のシンボル(武器や道具)を持っています。
この各スートのシンボルには「四元素」の要素が含まれていて、それぞれの意味は次のとおり
- 棒=火: 情熱・行動力・想像力
- 杯=水: 感情・愛情・共感
- 剣=風: 知性・論理・戦略
- 金貨=土: 現実性・安定・物質的豊かさ
この四元素のエネルギーと先に解説した「人物像」のイメージを組み合わせることによって、コートカードをより具体的に読んでいくことが出来ます。
四元素についての更に詳しい解説は、こちらの記事【数札を読む】マルセイユタロットの小アルカナは数字と四元素で覚えようを参考にしてみて下さい。
カードの向きを見る(とくに目線に注目)

マルセイユ版タロットの場合、他のタロットカード、例えば「ウェイト版」などよりも、このカードの向きがとても大きな意味を持っています。
その理由は、人物がはっきりと顔を横に向けているからです。
この顔を向けている方向、つまり目線に注目して読むことがマルセイユ版タロットのコートカードを読む上では重要になります。
例えばカードを複数枚並べた時に次のような状況の時は、
- 内側(他のカードの方)を向いている場合:状況に関与している、過去や現在に意識がある
- 外側(枠の外)を向いている場合:未来志向、別の可能性を模索中
といった意味があります。
また王妃と王は基本的に椅子に座っていて、騎士は馬に乗っていて、小姓は地に足をつけて立っています。
これはその時の動きを表していて、こういった「構図に目を向ける」ことも、コートカードを読むコツになっています。
コートカードは状況によって読み分ける

コートカードは人物を表すカードなので、占いの状況によってはそれが「合わない」こともあり得ます。
それを防ぐために、次のように2通りの読み方を使い分けるといいでしょう。
- 人物として読む場合
- 性質として読む場合
コートカードは基本的に人物が描かれているので、人物として読むことが基本となります。
ですが、どうしても占いの状況的に整合性が合わないときは、
「性質として」読むことで、コートカードを解釈することが可能です。
人物として読む場合

コートカードが人物を表す場合には、それはそのまま読むことが出来ます。
例えば、
「自分が好きなあの人は、本当はどんな性格なのか?」といったことを占う場合に、
杯の小姓が出た場合
純粋で夢を追い求める、ユニークで独創的なとても感性が豊かな人
といったような答えを出すことが出来ます。
またコートカードを人物として読む場合には、カードが「自分のことなのか?」もしくは「他の対象者のことなのか?」ということを事前にきっちりと決めておくことが重要になります。
性質として読む場合

コートカードが人物を表すのに難しいとき、そのようなときは、「コートカードを性質として読む」といいでしょう。
例えば、
「今の状況に置いて、どういった対処をすればいいのか?」といったような場合に、
剣の王が出た場合
知性を最大限に働かせて、綿密な計画を練り断固とした決断することが必要
といったような解釈をすることが出来ます。
このように、マルセイユ版タロットのコートカードは、その時の状況に合わせて、自由にあらゆる面から読むことが出来るのです。
まとめ
今回はマルセイユ版タロットのコートカードの読み方を解説してきました。
まとめると次のようになります
マルセイユ版タロットの大アルカナ含め、小アルカナもとてもシンプルなデザインになっています。
それはコートカードでも同じです。
ですが、このシンプルなデザインだからこそ、そこに描かれている「人物の表情」や「顔の向き」、スートが持つエネルギーなどをしっかりと読む必要があります。
逆に言えば、これこそがマルセイユ版タロットの面白さであり醍醐味でもあります。
マルセイユ版タロットは、とても歴史の古いタロットカードです。
そこにはカードを読む人の数だけ、無限の可能性が詰まっています。
ぜひこの広大なタロットの世界にどっぷりと使ってみて欲しいです。
この度は最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。
この記事が少しでもお役に立てたのなら嬉しいです。
それではまた。
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